2012年12月07日
ブレード・ランナー
前のブログで SF作家 レイ・ブラッドベリ のことをテーマにしたが
今回は SF の映画について
…………………………………………………………………
驚くべきことに 44年も前
1968年に公開された <2001年宇宙の旅>
スタンリー・キューブリック監督によるこの映画は
今見ても 面白いし 難解な映画です。
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猿が白い骨を放り上げて くるくる廻っている画面が
骨のような白い宇宙船に変わっていくあたりから
そのアナロジーと時間のワープに驚かされる。
SFにクラッシック音楽というのにも驚いたが
これがまた 程よい空間拡張性と牧歌性と緊張感を出している。
中でも HAL 9000 が最後に唄う デイジー・ソング がよい。
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LSDトリップのような サイケデリックなトンネルをくぐって
最後に スター・チャイルド になる。
…………………………………………………………………
つぎは 1979年の <エイリアン>
リドリー・スコット監督
H.R.ギーガーのデザインがうまく活かされている
この第一作が最も恐ろしく できがよい。
続編は ドタバタでエイリアンが出過ぎで面白くない。
出そうで出て来ない 恐怖の気配感が最も恐いのです。
…………………………………………………………………
1982年 同じく リドリー・スコット監督 の
ブレード・ランナー < Blade Runner >
これが 今回のブログのメインテーマです。
語り尽くされていますが
フィルム・ノワールなカルトムービーで
SF映画のなかでは 群を抜いている
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リドリー・スコット監督の映画はたいがい見ていますが
彼の絵作りには特に素晴らしいものがありますね。
この映画も 30年も前の映画ですが
いまだにこれを超える映画はでていない。
ハリソン・フォードは年齢的にも一番よい時で
渋みと甘さの 男の魅力がプンプンしてる。
ルドガー・ハウアーはじめ 他の俳優たちも
すべて はまり役で それぞれ独特の個性を演じている。
原作は SF作家 フィリップ・K・ディックの
Do Androids Dream of Electric Sheep?
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
スピナーやセバスチャンのアルマジロバン等の
車や店などの景観デザインなど全般を
シド・ミードがに手がけています。
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彼はガンダムのデザインもやっているようです。
俯瞰される都市のミニチュアには光ファイバーとかが使われており
特撮 合成 等はダグラス・トランブルが担当
映画<ブレイン・ストーム>等の監督です。
そして 使われている建物がまた良い
警察署はユニオン・ステーション(駅)
デッカードの部屋は
フランク・ロイド・ライトの設計による
エニス・ブラウン邸 の壁面タイルで
内装されている。
セバスチャンのアパートであり
最後の死闘を繰り広げるビルは
ブラッドベリ・ビル
あのSF作家のブラッドベリとは関係がない。
スモッグに覆われ 止むことの無い酸性雨の中で
アジア的で多国籍的で無国籍的な人種の往来
バックに繰り返される多国語のゴチャマゼ
ジャンクでノイジーでサイバーパンクな雰囲気が
たまらなくいいですね。
そして ヴァンゲリスのシンセサイザー音楽が
物憂くバックにたなびいていて良い。
撮影は ジョーダン・クローネンウェス
画面は終始暗く 白煙によって強調される光や
サーチライト や 逆光に浮かぶシルエットなど
光の微妙な捉え方がすばらしい。
デッカードが見るユニコーンの夢と
最後 ガフが床に置いてあったユニコーンの折り紙が
何を意味するのか解らないがユニコーンは
非常に獰猛で、処女の懐に抱かれて初めて大人しくなるというから
レイチェルの懐に抱かれるデッカードのことかも
レプリカントは無機質で無表情なはずですが
この映画では 非常に魅力的に映っています。
むしろデッカードの方が無表情です。
デッカードも実はレプリカントなのではと言われていますが
ぼくがそうは思いません。
彼は最初の ゾラだけは自分で突き止めますが
殴られ逃げられ なんとか仕留めたものの
レオンにあわや殺されるところをレイチェルに助けられ
プリスにもさんざん痛めつけられ殺される寸前になんとか助かるものの
ロイ・バッティ(ルドガー・ハウアー)には
いたぶられ、からかわれ、指を数本へしおられ
逃げ惑い 転落の寸前に ルドガー・ハウアーに助けられる。
優秀で賢く強い Blade Runner とはとても思えません。
そういう意味でも デッカードは実に人間臭いのです。
…………………………………………………………………
コスチュームのデザインも凝っていますね。
デッカードは割と普通に くたびれたコートを着ていますが
シャツとネクタイはよいですね。
レプリカントたちは 皆 尖っていてカッコいいです。
それぞれの個性を引き立てるコスチュームですが
特にレイチェルのデザインが良かったですね。
杖つき ガフ の衣裳もしぶい。
…………………………………………………………………
フランスの映画も作っていますが アニメ作家
エンキ・ビラル のアニメ作品の影響もかなりあるようです。
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…………………………………………………………………
それから クリス・マイケル監督の 幻の近未来SF映画
フォトロマン <ラ・ジュテ>
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モノクロームの静止画 と モノローグによる
30分くらいの 時と記憶を旅する 短編映画
この映画にも影響を受けているようです。
…………………………………………………………………
こうしていろんな切り口から ブレード・ランナーを見ていくと
とても 面白いし 逆にいうと
これだけ沢山のセンスの良い素材をぶちこんだ
ごった煮スープの旨味は 計り知れない。
…………………………………………………………………
リドリー・スコットの最近の映画 <プロメテウス>
もうすぐDVDが出ますね
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エイリアンがらみですが あんまり評判が宜しくないようで
でも そのうち見てみよっと
では
今回は SF の映画について
…………………………………………………………………
驚くべきことに 44年も前
1968年に公開された <2001年宇宙の旅>
スタンリー・キューブリック監督によるこの映画は
今見ても 面白いし 難解な映画です。

猿が白い骨を放り上げて くるくる廻っている画面が
骨のような白い宇宙船に変わっていくあたりから
そのアナロジーと時間のワープに驚かされる。
SFにクラッシック音楽というのにも驚いたが
これがまた 程よい空間拡張性と牧歌性と緊張感を出している。
中でも HAL 9000 が最後に唄う デイジー・ソング がよい。
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LSDトリップのような サイケデリックなトンネルをくぐって
最後に スター・チャイルド になる。
…………………………………………………………………
つぎは 1979年の <エイリアン>
リドリー・スコット監督
H.R.ギーガーのデザインがうまく活かされている
この第一作が最も恐ろしく できがよい。
続編は ドタバタでエイリアンが出過ぎで面白くない。
出そうで出て来ない 恐怖の気配感が最も恐いのです。
…………………………………………………………………
1982年 同じく リドリー・スコット監督 の
ブレード・ランナー < Blade Runner >
これが 今回のブログのメインテーマです。
語り尽くされていますが
フィルム・ノワールなカルトムービーで
SF映画のなかでは 群を抜いている

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リドリー・スコット監督の映画はたいがい見ていますが
彼の絵作りには特に素晴らしいものがありますね。
この映画も 30年も前の映画ですが
いまだにこれを超える映画はでていない。
ハリソン・フォードは年齢的にも一番よい時で
渋みと甘さの 男の魅力がプンプンしてる。
ルドガー・ハウアーはじめ 他の俳優たちも
すべて はまり役で それぞれ独特の個性を演じている。
原作は SF作家 フィリップ・K・ディックの
Do Androids Dream of Electric Sheep?
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
スピナーやセバスチャンのアルマジロバン等の
車や店などの景観デザインなど全般を
シド・ミードがに手がけています。

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彼はガンダムのデザインもやっているようです。
俯瞰される都市のミニチュアには光ファイバーとかが使われており
特撮 合成 等はダグラス・トランブルが担当
映画<ブレイン・ストーム>等の監督です。
そして 使われている建物がまた良い
警察署はユニオン・ステーション(駅)
デッカードの部屋は
フランク・ロイド・ライトの設計による
エニス・ブラウン邸 の壁面タイルで
内装されている。
セバスチャンのアパートであり
最後の死闘を繰り広げるビルは
ブラッドベリ・ビル
あのSF作家のブラッドベリとは関係がない。
スモッグに覆われ 止むことの無い酸性雨の中で
アジア的で多国籍的で無国籍的な人種の往来
バックに繰り返される多国語のゴチャマゼ
ジャンクでノイジーでサイバーパンクな雰囲気が
たまらなくいいですね。
そして ヴァンゲリスのシンセサイザー音楽が
物憂くバックにたなびいていて良い。
撮影は ジョーダン・クローネンウェス
画面は終始暗く 白煙によって強調される光や
サーチライト や 逆光に浮かぶシルエットなど
光の微妙な捉え方がすばらしい。
デッカードが見るユニコーンの夢と
最後 ガフが床に置いてあったユニコーンの折り紙が
何を意味するのか解らないがユニコーンは
非常に獰猛で、処女の懐に抱かれて初めて大人しくなるというから
レイチェルの懐に抱かれるデッカードのことかも
レプリカントは無機質で無表情なはずですが
この映画では 非常に魅力的に映っています。
むしろデッカードの方が無表情です。
デッカードも実はレプリカントなのではと言われていますが
ぼくがそうは思いません。
彼は最初の ゾラだけは自分で突き止めますが
殴られ逃げられ なんとか仕留めたものの
レオンにあわや殺されるところをレイチェルに助けられ
プリスにもさんざん痛めつけられ殺される寸前になんとか助かるものの
ロイ・バッティ(ルドガー・ハウアー)には
いたぶられ、からかわれ、指を数本へしおられ
逃げ惑い 転落の寸前に ルドガー・ハウアーに助けられる。
優秀で賢く強い Blade Runner とはとても思えません。
そういう意味でも デッカードは実に人間臭いのです。
…………………………………………………………………
コスチュームのデザインも凝っていますね。
デッカードは割と普通に くたびれたコートを着ていますが
シャツとネクタイはよいですね。
レプリカントたちは 皆 尖っていてカッコいいです。
それぞれの個性を引き立てるコスチュームですが
特にレイチェルのデザインが良かったですね。
杖つき ガフ の衣裳もしぶい。
…………………………………………………………………
フランスの映画も作っていますが アニメ作家
エンキ・ビラル のアニメ作品の影響もかなりあるようです。
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…………………………………………………………………
それから クリス・マイケル監督の 幻の近未来SF映画
フォトロマン <ラ・ジュテ>
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モノクロームの静止画 と モノローグによる
30分くらいの 時と記憶を旅する 短編映画
この映画にも影響を受けているようです。
…………………………………………………………………
こうしていろんな切り口から ブレード・ランナーを見ていくと
とても 面白いし 逆にいうと
これだけ沢山のセンスの良い素材をぶちこんだ
ごった煮スープの旨味は 計り知れない。
…………………………………………………………………
リドリー・スコットの最近の映画 <プロメテウス>
もうすぐDVDが出ますね

エイリアンがらみですが あんまり評判が宜しくないようで
でも そのうち見てみよっと
では
Posted by hamabeat at 16:40│Comments(0)
│銀塩パトロオネ
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