2011年11月25日
架空の花々
きのう ワタル の夢を見た
ワタルに 携帯電話の番号を聞いている夢だった
090-xxx-ときて 最後の数字の4桁が カタカナで
たしか フローラ とかだった。
ただ それだけの 夢
朝 イカリさんに 話すと
あの人らしいわね と 笑っていた。
…………………………………………………………………………
ワタルは ぼくが京都にいた頃の トモ である。
詩的で アートで お洒落で 謎めいた奴だった。
彼には 世俗の色や匂い が全くなかった
いったい 何処でどういう生活をしているのか
親兄弟はいるのか 食事をして おしっこ なぞしているのかな
なんてことまで 思った。
それは なにも 僕だけが思っていた事ではなく
皆が それとなく 噂 していた。
アイツが トイレに行ったのを見た事が無い と
ぼくも 見た事はないし、一緒にトイレに入った事も無い。
…………………………………………………………………………
ドン・ファン(あのプレイボーイのドン・ファンではない)の
呪術師シリーズは 内容が真実か、それともフィクションかというのは
僕には どうでもよく 非常に面白い書物で
随分 ぼくはドン・ファンの物の考え方に影響された
この本は もう亡くなりましたがカルロス・カスタネダの著作で
南米インディアンの呪術師のフィールドワークを学ぶために
呪術師ドン・ファンの弟子になり
その時の会話と実践を克明にメモした内容です。
この中で ドン・ファンは 彼の生活を透視して カスタネダに忠告します。
女性と付き合ってるだろうが 彼女はお前との関係に飽きてきている。
お前は うすっぺらな自分を全てさらけ出し パターン化した行動をしている。
彼女にしてみれば お前が次に 何を言い どういう行動にでるかを
予測できる。 つまり 見透かされているということ。
謎のない人間は 読まれ 飽きられ 捨てられる と
これは 別な場面での 狩人と獲物 の話に通じる。
狩人は獲物のことを 良く観察し 学び そして 罠をしかける。
足跡や糞を観察して 何時間前にここを通ったかを読み取る。
たとえば 兎が 食べものを取りにいって 夕方の今頃
必ず いつものように この道を 帰ってくる。
その 最適な場所に 巧妙に罠を仕掛ける。
狩人は 獲物の行動パターンを 詳細に観察し熟知している。
逆に 我々が 獲物にならないためには どうすればよいかがわかる。
履歴を消し 世俗の習慣を捨て 行動パターンを破り 謎になること。
…………………………………………………………………………
さて ワタルの話に戻ると
彼の魅力はそこにあったように思う。
突然現れて 抽象的だけどセンスの良い話をして
いきなり フっと どこかへ 消えていく
思考回路も行動パターンも我々とは全く違う。
逆に 世間とかの一般的な人達は
常識と共通の概念を 子供の頃から教育し
皆に同じような物の考え方をさせ
予測可能で読める人間を作っていく事で 安心安全を手に入れる。
狩猟民族はいなくなり 農耕民族ばかりになり
一億総獲物化 になっている。
…………………………………………………………………………
彼は 美大のアルチザンや 文系の パルチザンの仲間と
<ですたんす>というタイトルの同人誌を出していた。
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僕が 京都の岡崎アパートにイカリと住んでいる時に
彼は僕にも参加しないかと誘って来た
<ですたんす>2号 から 詩を出した。
<ですたんす>というタイトルは 吉田一穂 の詩
あゝ麗はしい距離【デスタンス】
常に遠のいてゆく風景……
から付けられた名前です。
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その後 <DISTANCE> という写真集を出す
その中に 銀月アパートの IPPEY君 の部屋の写真がある
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次に<airing - sheltered along flower> エアリング というアート誌を出したりして
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だんだん アルチザン系になり
皆の中に文字通り <デスタンス 距離> ができ 分解してしまった。
彼とは二人だけで <麦星> を出した。
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彼の詩と 僕は 詩と ディラン・トマスの<十月の詩>の訳詞をのせた。
その時の 訳の原稿が出て来た。
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<麦星> は 僕が銀月アパートに住んでいるときの同人誌で
この後 僕は 阿寒へ ワタルは 小樽へ 旅立つ
…………………………………………………………………………
次は ワタルに書いた詩 です。
ワタルの心には ひゆ という少年が棲んでいる
少年は ワタルに あの土地が欲しいと
水平線の向こうの空の 夕暮れを 指差す
<見知らぬもの>との距離を測るために
ワタルは 少年の瞳に映る レッドバーンの領土に
白い紙ヒコーキを飛ばしてみる
少年は ピクニックに行きたい と ワタルにせがむ
ワタルは 少年の手を取り 少年の眼を閉じさせる
そして 部屋から部屋へと歩きながら
ワタルは 森や小川や花々の話を 少年にささやく
少年の閉じられた瞳の内側に映る ファンタスの森に
ワタルは 一羽の蝶を送り込む
…………………………………………………………………………
僕が緑の正方形で
ボリビアの森を組み立てている時
ワタルは 白いお皿の上で
架空の花々を解凍している
僕がワードプロセッサーで
言葉の森を組み立てている時
ワタルは パントマイムで
花々の想いを翻訳している
僕がコンピューターで
鳥の飛行の計算をしている時
ワタルは 白い小鳥になって
空の青さを演技している
逢いたいと思っていても逢えない友
でも 思っている時 すでに出逢っている
僕の中のワタルと ワタルのなかの僕が
連絡船の通らなくなった津軽海峡をはさんで
…………………………………………………………………………
そんな かんじ
では はま
ワタルに 携帯電話の番号を聞いている夢だった
090-xxx-ときて 最後の数字の4桁が カタカナで
たしか フローラ とかだった。
ただ それだけの 夢
朝 イカリさんに 話すと
あの人らしいわね と 笑っていた。
…………………………………………………………………………
ワタルは ぼくが京都にいた頃の トモ である。
詩的で アートで お洒落で 謎めいた奴だった。
彼には 世俗の色や匂い が全くなかった
いったい 何処でどういう生活をしているのか
親兄弟はいるのか 食事をして おしっこ なぞしているのかな
なんてことまで 思った。
それは なにも 僕だけが思っていた事ではなく
皆が それとなく 噂 していた。
アイツが トイレに行ったのを見た事が無い と
ぼくも 見た事はないし、一緒にトイレに入った事も無い。
…………………………………………………………………………
ドン・ファン(あのプレイボーイのドン・ファンではない)の
呪術師シリーズは 内容が真実か、それともフィクションかというのは
僕には どうでもよく 非常に面白い書物で
随分 ぼくはドン・ファンの物の考え方に影響された
この本は もう亡くなりましたがカルロス・カスタネダの著作で
南米インディアンの呪術師のフィールドワークを学ぶために
呪術師ドン・ファンの弟子になり
その時の会話と実践を克明にメモした内容です。
この中で ドン・ファンは 彼の生活を透視して カスタネダに忠告します。
女性と付き合ってるだろうが 彼女はお前との関係に飽きてきている。
お前は うすっぺらな自分を全てさらけ出し パターン化した行動をしている。
彼女にしてみれば お前が次に 何を言い どういう行動にでるかを
予測できる。 つまり 見透かされているということ。
謎のない人間は 読まれ 飽きられ 捨てられる と
これは 別な場面での 狩人と獲物 の話に通じる。
狩人は獲物のことを 良く観察し 学び そして 罠をしかける。
足跡や糞を観察して 何時間前にここを通ったかを読み取る。
たとえば 兎が 食べものを取りにいって 夕方の今頃
必ず いつものように この道を 帰ってくる。
その 最適な場所に 巧妙に罠を仕掛ける。
狩人は 獲物の行動パターンを 詳細に観察し熟知している。
逆に 我々が 獲物にならないためには どうすればよいかがわかる。
履歴を消し 世俗の習慣を捨て 行動パターンを破り 謎になること。
…………………………………………………………………………
さて ワタルの話に戻ると
彼の魅力はそこにあったように思う。
突然現れて 抽象的だけどセンスの良い話をして
いきなり フっと どこかへ 消えていく
思考回路も行動パターンも我々とは全く違う。
逆に 世間とかの一般的な人達は
常識と共通の概念を 子供の頃から教育し
皆に同じような物の考え方をさせ
予測可能で読める人間を作っていく事で 安心安全を手に入れる。
狩猟民族はいなくなり 農耕民族ばかりになり
一億総獲物化 になっている。
…………………………………………………………………………
彼は 美大のアルチザンや 文系の パルチザンの仲間と
<ですたんす>というタイトルの同人誌を出していた。
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僕が 京都の岡崎アパートにイカリと住んでいる時に
彼は僕にも参加しないかと誘って来た
<ですたんす>2号 から 詩を出した。
<ですたんす>というタイトルは 吉田一穂 の詩
あゝ麗はしい距離【デスタンス】
常に遠のいてゆく風景……
から付けられた名前です。
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その後 <DISTANCE> という写真集を出す
その中に 銀月アパートの IPPEY君 の部屋の写真がある
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次に<airing - sheltered along flower> エアリング というアート誌を出したりして
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だんだん アルチザン系になり
皆の中に文字通り <デスタンス 距離> ができ 分解してしまった。
彼とは二人だけで <麦星> を出した。
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彼の詩と 僕は 詩と ディラン・トマスの<十月の詩>の訳詞をのせた。
その時の 訳の原稿が出て来た。
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<麦星> は 僕が銀月アパートに住んでいるときの同人誌で
この後 僕は 阿寒へ ワタルは 小樽へ 旅立つ
…………………………………………………………………………
次は ワタルに書いた詩 です。
ワタルの心には ひゆ という少年が棲んでいる
少年は ワタルに あの土地が欲しいと
水平線の向こうの空の 夕暮れを 指差す
<見知らぬもの>との距離を測るために
ワタルは 少年の瞳に映る レッドバーンの領土に
白い紙ヒコーキを飛ばしてみる
少年は ピクニックに行きたい と ワタルにせがむ
ワタルは 少年の手を取り 少年の眼を閉じさせる
そして 部屋から部屋へと歩きながら
ワタルは 森や小川や花々の話を 少年にささやく
少年の閉じられた瞳の内側に映る ファンタスの森に
ワタルは 一羽の蝶を送り込む
…………………………………………………………………………
僕が緑の正方形で
ボリビアの森を組み立てている時
ワタルは 白いお皿の上で
架空の花々を解凍している
僕がワードプロセッサーで
言葉の森を組み立てている時
ワタルは パントマイムで
花々の想いを翻訳している
僕がコンピューターで
鳥の飛行の計算をしている時
ワタルは 白い小鳥になって
空の青さを演技している
逢いたいと思っていても逢えない友
でも 思っている時 すでに出逢っている
僕の中のワタルと ワタルのなかの僕が
連絡船の通らなくなった津軽海峡をはさんで
…………………………………………………………………………
そんな かんじ
では はま
Posted by hamabeat at 18:40│Comments(0)
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