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2015年10月29日

リュミエール兄弟の遺産

1995年に放送し、大きな反響を呼んだNHKスペシャル「映像の世紀」

それから20年、デジタルリマスタリングされて再放送された

全11回を改めて見ました。

そして <新映像の世紀 >が全6編構成で新たな映像で始まりました。
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映像の世紀はフランスのリュミエール兄弟による

映画カメラ・シネマトグラフの発明から始まります

リュミエール兄弟の遺産


リュミエール兄弟の遺産




リュミエールという名前はフランス語で「光」を表すそうです

静止画のカメラは18世紀に発明されていますが

ムービー動画のカメラは19世紀初めです

ほどなく 第一次大戦がはじまりますから

その後の戦争の記録としては発明のタイミングがよかったといえる

20世紀の動く映像を100年に渡り記録し続けた中から纏められたものは

主に 戦争の映像であり 大量殺戮 大量破壊 大量難民の映像です

20世紀は狂気の世紀であり人間の愚かさを記録した映像集でした

そういう意味で 残されたこれらの膨大な記録フィルムは

20世紀の狂気の遺産 負の遺産 と言えるでしょう

20世紀の戦争は サラエヴォ で始まり サラエヴォ で終わっています

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新しい <新映像の世紀 > では視点がすこし違っているようです

歴史の流れの表層ではなく 底流や裏にあるものにスポットを当てています

列強大国の欺瞞と裏切りと画策 そしてそれに翻弄された人達の映像でした

世界を二つの陣営に分けて世界中を戦場にした 

あれほどの大規模の戦争は第二次大戦後まだ起きていません

核がなければ第三次も第四次も果てしなく続いていたかもしれません

でも いまだに 各地で紛争が起き 多くの難民が流出し続けています

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第二次大戦の途中からカラーの映像が出てきました

アメリカの前線でのムービー映像です

過去の白黒映像をカラー化しての放映も色々あって

昔の着色写真の動画版といった感じでしたが

コンピューターを駆使してとはいえ大変な作業だったと思います

過去の未発表の埋もれたというか隠されたというか

膨大なフィルムも最近発掘されているようで

編集,公開 が待たれます

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リュミエールと仲間たち という映画があり DVD化されています

リュミエール兄弟の遺産




リュミエール兄弟が、世界初の映画を撮影してから100年

現代の40人の監督が、最古の映画カメラ・シネマトグラフを使って

一人52秒の映画を撮影したものを纏めた短編映像集です。

総監督が サラ・ムーンです

リュミエール兄弟の遺産


リュミエール兄弟の遺産


リュミエール兄弟の遺産





それにしても100年前のこのカメラの完成度は高く

映像がきれいで動きもスムーズなのには驚かされます

次の3枚の写真は多分 サラ・ムーンの撮影だと思います


リュミエール兄弟の遺産


リュミエール兄弟の遺産


リュミエール兄弟の遺産




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テオ・アンゲロプロスの映画に <ユリシーズの瞳>がある

リュミエール兄弟の遺産


リュミエール兄弟の遺産




「魂でさえも、自らを知るには、魂を覗き込む」というプラトンの言葉から始まる

バルカン半島最初の映画作家マナキス兄弟が未現像のまま遺したという

幻の3巻のフィルムを探す旅がこの映画のテーマ

彼の映画のなかでは最も好きな映画です

最後の舞台は いみじくも サラエヴォ でした

では




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