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2017年11月08日

望郷  カズオ・イシグロ

そういえば 去年 のノーベル文学賞受賞は まさかの Bob Dylan でした

今年は 以外にも カズオ・イシグロ でした

今年も 期待の ムラカミさん  書店は コーナーを飾っていたようですが

急遽 チェンジコートを余儀なくされて  はて でも 彼の本は無い

早川書房 は 嬉し 急がし 

ちょっとあれから 時間が経っていますので

本屋さんの 筆頭スペースに ずらり と 文庫本が並んでいました

ノーベル賞受賞 の 帯付きで

いままで 一二冊くらいしかなかった彼の本が 全部揃って並んでいました

彼の小説は 数冊持ってはいますが まだ全てを 読んでいません

望郷  カズオ・イシグロ




映画では 数本見ています

最初に見たのが <日の名残り>

望郷  カズオ・イシグロ




原題が Remains of the Day

名訳の 日本語タイトルだとおもいます

<日の名残り>というタイトルの通り

日々  残してきたものの多いこと

アンソニー・ホプキンス と エマ・トンプソン  の 絶妙の演技

ジェームズ・アイヴォリー監督 の名画 です

アンソニー・ホプキンス の あの口を少し開けて遠くを虚ろに見て

そして 我に返る 演技が いいですね

この映画の二人のように 結ばれなくても ずっと一生想い続けている人が

誰の心の中にも一人や二人は いるのではないでしょうか


次に見たのが <上海の伯爵夫人>

望郷  カズオ・イシグロ




カズオ・イシグロ の脚本という形での映画ですが

同じく ジェームズ・アイヴォリーの監督です

レイフ・ファインズ とナターシャ・リチャードソン

二人の演技もなかなか良く 特に レイフ・ファインズがはまり役でした

ストレートではない 男女の恋愛という意味では

<日の名残り>と 共通項は多い映画です

1930年代の上海を舞台に イギリス、フランス、ロシア、アメリカ、ニッポン、中国と

激動の舞台での なにか 個人的な 物語です

<日の名残り>は   国際的な舞台のなかでの

執事と 彼女との 結ばれることの無い 愛 のお話です

うごめく 世界の政治情勢や 世の中の動き の下で

人と 人の 織りなす 人生模様 に焦点があたっています

政治だとか 世界 だとか そんな 抽象的な事柄ではなく

わたし と あなた  の 心の綾 を 描いている映画だと思います

……………………………………………………………

日本からは 真田広之 が出演していますが 特典で彼が語っている

監督のジェームズ・アイヴォリー像が面白かったです


結果 ハッピーエンドな感じ が カズオ・イシグロらしくなく

もうすこし すれ違っていく もどかしさみたいなものがあっても良かったと思いますが

……………………………………………………………

ほとんど幼少からのイキリス生活で日本語も喋れない

カズオ・イシグロですが どこか 日本的な 格式と想いを

奥底に 秘めているような気がします

血 は 消せない  自分達のなかを流れる川 かもしれません


次に見たのが   <わたしを離さないで> ですが

望郷  カズオ・イシグロ




これは 別ブログで 投稿していますので こちら をご覧ください

彼の作品にしては ちょっと 異色な内容かもしれません

でも 僕が見た 三編の映画で共通して言えるのが

マス じゃなく その人 個の 生き様 のように思えます

多分 カズオ・イシグロにとって 日本は 遠い 遠い 国に違いないですが

それゆえ 望郷 というか 血と同じように 

想い も 川のように 体内を 流れているのかもしれない

受賞 おめでとう  カズオ・イシグロ  さん  


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Posted by hamabeat at 20:17│Comments(0)銀幕の缶詰
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